ご 挨 拶

昭和7年築の銀座のレトロなアートビルとして有名な奥野ビルは画廊・アンティークショップなどが30軒余り入居しております。2021年2月にも美術番組(新・美の巨人たち)で大きく放映されましたが、度々新聞、雑誌、T Vで取り上げられております。
また数年前に、ニューヨークタイムズが掲載したことにより、海外からも美術ビルとして注目され、外国の方の来訪も急増してきております。
今回はその奥野ビル内にある有志の8画廊が初めて共同でコンクールを開催致しました。
特徴の一つは募集の作品サイズを8号以下としたことです。
美術館等における公募展は100号などのミュージアムサイズが多く見られます。今回の作品は一般の方々に気軽に購入していただけるよう日本の普通の家庭でも飾れるサイズとすることにより、一般家庭にまで広く普及することを期待しており、実際に展示作品が何点も購入されていきました。
もう一つの特徴は賞を身近なものと致しました。これも美術が一般社会の中に広がっていくことを目指し、エンドユーザーであるコレクターによる『コレクター賞』、展示を観に来ていただいた一般の方々も参加していただく『一般投票賞』です。これらにキュレーター、ギャラリストも加えての総合の賞を『大賞』と致しました。
さらに、大賞は逃しましたが、総合点で上位の作家の方々に対する高評価の証明とこれからへの奨励の意味を込め『佳作賞』を設定しました。
また、今回はインターネットによる一次審査において僅かの差で入選にならなかった方々もいらっしゃいます。応募は無料として門戸は大きく開かれておりますので、次回に向けて益々制作に励まれますことをご期待申し上げます。
コロナ自粛の最中にあたり、ご来客があるか心配も致しましたが、全国から200名以上の方が応募され、100名余りの方が入選されました。おかげさまで美術雑誌等にも取り上げられ、また奥野ビルへの注目も相まって期待以上の盛り上がりを見せることができました。本展は今回を第一回として、今後も継続していきたいと思っておりますが、これも応募していただいた作家の方々のご活躍とご来廊いただきました多くの観客の皆様方の応援があってのものです。皆さまがたに心からお礼を申し上げます。
これからもどうぞよろしくお願い申し上げます。

2021年 2月1日
奥野ビルギャラリーズアート展 実行委員長 織田泰児


第1回 奥野ビルギャラリーズART展結果

大賞 No.32 『色染月-irosomeduki-』 景井享平

コレクター、一般、ギャラリストの総合投票数最多の作。

色染月
色染月-irosomeduki-

景井享平
景井享平

【コメント】
赤は西洋個展絵画における慈愛・聖愛の意味を持ち、衣服にはそれらを享受する意味合いを持たせています。『色染月』とは9月の異称です。日本の初秋は風景が茜や紅に染まり、周囲の環境や自分自身も自然の慈愛・聖愛あっての実りに伴って染まっていくような時期な気がします。
この絵画は昨年の初秋に路地裏で日向ぼっこしている猫を見かけたことがきっかけとなっています。普段は人通りの絶えない道なのでその出会いを少し特別に感じました。その出来事を思い返す度に昨年は季節の趣を感じる余裕がなかったように思います。
猫が浴びていた初秋の陽光は文学において様々な表し方をされてきました。
例えば菊屋敷(山本周五郎著)の一節「どんよりと物悲しい秋の日が、朝だというのにまるで夕方のような侘しさをたたえる…」や、城山三郎著の辛酸では「鏡の破片でも振りまくような」と言った表現をしています。ただ私は絵描きですので、言葉とは違う彩りで自分の中にある初秋の趣や季節を感じる余裕、慈愛を絵画に表現出来ていたら幸いです。


コレクター賞 No.58 『禁書の守り人』中園ゆう子

 コレクターの方の投票数最多の作品。

禁書の守り人
禁書の守り人 


中園ゆう子
中園ゆう子

【コメント】

この様な世相の最中、伝統ある奥野ビルの第1回のコレクター賞を頂き栄誉に本当に身の引き締まる思いです。
ご高覧くださった方、応援下さった方、ご投票くださった方、画廊のスタッフ様、家族、友人、全ての方に心より感謝申し上げます。
本当は皆さんに一人一人直接お礼をお伝えしたいほどですが今はより良い作品を描く事で御恩を返していけたらと考えております。
今受賞を励みに益々画業に勤しみますので、今後とも宜しくお願い致します。


一般投票賞 No.34 『Dreamland Wave ART』 Goes Windy(ゴース・ウィンディ)

 一般の方の投票数最多の作品。

Dreamland Wave ART
Dreamland Wave ART 


Goes Windy
Goes Windy

【コメント】

はじめまして、この度は一般投票数1位の一般投票賞を獲得したという素晴らしいニュースを聞きとても嬉しく思っています。参加画廊のみなさまも1週間本当にありがとうございました。
私はインドネシアの西ジャワで生まれ、これまで18の頃からサーフィンをしながら20年以上、波の絵を描き続けています。今はバリ島のジンバランという場所に住んで毎日仕事が終わるとビーチに行ってお酒を飲みながら波を感じています。
私が描いている作品は、荒々しい波ではなくサーファーがライドするのに適し、憧れる様な波を描いています。波の動きや躍動感は波を知り尽くしている自分にしか描けません。
25歳の時にサーフィン中に事故にあいました、もう長い時間本格的にサーフィンに乗ることはできなくなりましたが、それでも波を愛しています。
私は本当に波が大好きです。波は人生であり、恋人です。
波はひとつひとつ同じものがないんです。だから僕の波の絵も同じものはないんです。
全部の作品が1点ものです。
日本には3回来たことがあります。横浜や東京、大阪でライブペインティングやサイン会をやって僕の絵を見に来て買ってくれたファンも投票してくれたと聞きました。
僕の絵を初めてみて、気に入ってくれたみんなも、僕のことをずっと応援してくれているみんなも本当に本当にありがとうございます!
バリ島は観光地だから、今はすごく大変。
道に人が通ってないくらい。ずっと1年以上こんな日々が続いてます。
それでも、 きっとまた、すぐに逢えるよ!その時はみんなで乾杯しよう!
また日本に行くからね!

Wave is my life.
Goes Windy

 

佳作(総合投票数上位のも、展示No.順)

No.2 『madame carreaux』 岩田 圭音
No.6 『ひとり~No.9』 川井眞理子
No.10 『閉塞と空虚』 TON
No.12 『神社』 海衣
No.19 『ひかり』 Zhang xindan
No.31 『臨む』 片岡真梨奈 
No.35 『読書』 刀根千賀子
No.43 『電氣の塔』 前大道慎二
No.44 『大地を包むもの』 高橋真子
No.46 『野を駆ける』 町田雨子
No.50 『トート神』 er_i
No.53 『雪の積もった犀川』 桜井旭
No.54 『Rebirth』 須澤芽生
No.55 『華』 鈴木七実
No.57 『stay home』 中條亜耶
No.74 『閑寂の教会』 高梨悟子
No.77 『Reincarnation』 足立典子
No.86 『蛙姫』 捨天如
No.90 『夜明けを待ちながら』 中村成二
No.101 『Have Fun(party kitchen)』 SHUN
No.106 『サクレ・クール』 塚越かじん

 

コレクター代表 山本冬彦様ご挨拶

 今回の奥野ビルの有志ギャラリーによる公募展は、ジャンル、年齢、性別の違う多様な作品が展示され、来場者・画廊・コレクターがそれぞれ人気投票や審査をするという企画で大変面白くかつ好評だったと思います。私はコレクターの立場で作品を見たり選んだりする視点がどう違うかについて簡単な講評や感想を書いてみます。
 100点の作品を見たとして一般の人が10点を選ぶとすると、「うまい、綺麗だ、好きだ、知り合いだ・・・」という全体的な感じで作品を判断していると思います。ここまでは画廊もコレクターも同じだと思いますが、画廊はその中から、「これは売れそうだ、うちの画廊に合う・・・」などからセレクトすると思います。一方、コレクターはその中からどの作品を「買うか、買わないか」で決定します。そこには「価格が妥当かどうか」が重要な判断ポイントになります。この程度の作品がなぜこんなに高いのかとか、この品質でこんなに安くていいのかなということを加味して購入するかどうかを決定するのです。ここが単なる鑑賞者とコレクターの違いです。
 さて今回の審査や人気投票の結果はそれぞれ同じだったか、違ったのか、結果はどうだったでしょうか。入賞したけど売れなかった作品、入賞はしなかったけど売れた作品、入賞も販売もできた作品、入賞も販売もできなかった作品・・・そのあたりの今後のヒントがあるのではないでしょうか。

アートソムリエ 山本冬彦

 

展示の模様

ギャラリーG2

 

画廊一兎庵

アートスペース銀座ワン

Atelier Olive

銀座中央ギャラリー

ギャラリー カノン

 

サロン ドゥ ラー

ギャルリー ラー

パンフレットライト版(1.47MB) パンフレット高解像度版(8.98MB)

展示についてのお知らせ

新型コロナウイルス対策について

  • 奥野ビル内ではマスクの着用をお願い致します。
  • 備え付けのアルコールで消毒をお願い致します。
  • 室内では窓またはドアを開けて換気しております。
  • 3密を避ける為、長時間の鑑賞は避け、なるべく空いているギャラリーからご鑑賞お願い致します。

表彰式について

表彰式は密になることが懸念されますので関係者のみとし、表彰状の授与と写真撮影のみに簡略化させて頂きます。
2月7日(日)午後3時から(当日は2時半まで鑑賞可)

開催スケジュール

開催時期 2021年 2月1日(月)~ 2月7日(日)

投票期間:2月1日(月)~6日(土) 12:00~18:00
展示のみ:2月7日(日) 12:00~14:30
表彰式:2月7日(日) 15:00~
表彰式後に搬出

投票方法

  1. まず、いずれかのギャラリーにて投票用紙を受け取り、お名前をご記入ください。
  2. 一般投票はお一人様一票とし、全作品をご覧になった方のみ投票権が与えられます。全ギャラリーを回り全作品をご覧になった証として、各ギャラリーに用意してある印を押して下さい。
  3. 最後に、最も気に入った作品の番号をご記入後、いずれかのギャラリーで投票用紙を提出して下さい。

第1回 奥野ビルギャラリーズART展 1次審査通過者

(五十音順)

相川さなえ

相川修也

ASAMI

飛鳥勝幸

アトリエ佳子

alpacca creative

安藤光

出岡吉行

泉明美

伊藤類

岩田 圭音

詩月あき

eico wada

mmr

er_i

遠藤 真紀子

大浦美知子

大口淑美

大高 浩美

オカジマヨシコ

緒方 瑛子

小川 彩菜

小野 蓮月

おゆみ

景井享平

片岡真梨奈

加藤 正

Kawai Shoko

川井眞理子

川瀬大樹

漢 嘯

如月夕子

木戸和子

工藤 美和子

黒田智恵

KENDY

Goes Windy

小坂由希

小西 美幸

小林 拓矢

小林綾子

斉藤 亘

佐久間シャルゲイ

桜井 旭

Sago

1+11=

ささきようすけ

佐瀬 莵堂

佐藤貴子

佐藤智美

さとうゆりこ

SHUN(旬)

Jun Futamata

須澤 芽生

鈴木ひょっとこ

鈴木康平

鈴木七実

捨天如

セキ・トシ

関野 八千代

関山 草

sen

岡沢 幸

高梨悟子

高橋 真子

田川 秀樹

田島麻衣

多田圭輝

中條亜耶

Zhang xindan

塚越かじん

寺口 肇

刀根 千賀子

冨森努

TON

中居ベル

中園ゆう子

中西 章

中村成二

新津隆康

西野春花

Noriko

花立ゆかり

林耕平

ヒロヤマモト

福 水琴

福村飛鳥

Blue Thread

古川寛恵

前大道 慎二

町田雨子

松野 佳奈

Mayu Warren

海衣

Mizuki the City

MINA_CO design

三好菜月

武藤紗緒里

妄想ハクビシン

momomi sato

森川 敬三

yasukisan

山川 友子

山岸 翔

山崎 恵

山田 絢子

ゆうき 慧真

弓指貴弘

横山みかさ

米澤さとみ

Ray

絮弍部ネツ

募集要項

応 募 方 法: 公募
作 品 規 定: 絵画と版画のみ、サイズは8号以下
出品時から遡って1年以内(2019年1月以降)に制作した新作 テーマは自由(他で出品した作品も可)
年 齢 制 限: 満18歳以上
応 募 点 数: 2点まで 但し、展示は1点のみ
応 募 方 法: 下記応募フォームよりwebから必要事項を記入し、作品画像をお送りください。
応 募 締 切: 2020年10月31日(土) 募集は終了致しました。
出 品 料: 1次審査は無料、2次にて会場展示された場合 6,000円

審査方法:

1次審査は ギャラリーオーナーによる作品画像審査
2次審査は 奥野ビル参加ギャラリーにて展示ギャラリスト、コレクター、一般観覧者による投票
※2次審査の作品は1次審査の作品と同一のこと。
販売手数料: 展示作品は当日販売も致します。
各自額代込み、税込みで作品価格をお決め頂き、売れた場合に運営手数料の一部として30%をお納め頂きます。
賞   典: 大賞(副賞は個展開催権限 他)
コレクターによるコレクターズ賞
各ギャラリー賞 他
著作権の扱い: 主催者は、入選作品の撮影と広報印刷物・ホームページ、取材記事への画像を掲載する権利を有し、出品者はこれを許可するものとする。

開催することによる効果

  1. 専門家から一般の方まで、幅広く様々な方に審査して頂き、偏った作品ではない広く受け入れられる作品が選ばれることを期待する。
  2. 普段銀座のギャラリーは敷居が高いと思っている一般の方にも、気軽にギャラリー鑑賞を楽しんで頂き、また身近に感じて頂く。
  3. 比較的小品の作品を募集することで価格も抑えられ、サラリーマンやOLでも絵を購入できるということを知って頂く。
  4. 全国から公募することにより、新しい作家の発掘につなげる。
  5. 大きな団体展に所属しない作家にも発表の機会をご提供できる。
  6. 賞を設けることで、作家活動にも目標ができ、受賞した場合は広く告知することにより今後の活動もし易くなることを期待する。
  7. 今や人気となった歴史的価値のある銀座の奥野ビル内にある画廊が企画することにより、全国的な影響力を発揮できると考え、上記の効果により芸術文化の発展に寄与する。

 

参加ギャラリー

アートスペース銀座ワン ギャラリー カノン 画廊一兎庵 銀座 GalleryG2 サロン ドゥ ラー / ギャルリー ラー Atelier Olive 銀座中央ギャラリー

事務局: 銀座中央ギャラリー 中村 tel:090-2919-8651

協力

株式会社 麗人社  (株)アーチストスペースF  サトウ画材   ホームズインターネット

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