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大隅実怜、野中美里、樋渡工

テンペラと油絵を用いて表現する大隅実怜、野中美里、樋渡工の作家たち3人展

開催期間

2021年11月29日(月)~12月4日(土)
12:00~19:00(最終日17:00まで)

エスティメート

大隅実怜

ひとは意図せず誰かを傷つける側に立つことがあります。誰かを苦しめ、虐げていても時代や環境によって自分のいる側が正しいと思い込むことがあるのです。また、それは同じく時代や環境によって簡単に揺らぎ、昨日まで正しいと思っていたことは全て否定され、虐げられる側へと変わります。このような二面性は誰もが持っていて、不安定で脆いものです。誰もが簡単に、ボタンを押す側になりうるという、ひとの脆さを私は常に億えておきたいのです。私はどちら側にいるのか、私はどちら側にいたのか、私がいま見ているものはまた別のものの反対側にあるのか。私の生活の中にある事象の二面性を見つめ、作品を描いています。

 

野中美里

作品テーマは、目には見えないつながりです。1つ1つ個々で存在するのではなく、1つ1つの関係にながれを感じながら制作しています。特定の風景を描くのではなく、時間、場所、日にちの違うたくさんの風景をトレーシングペーパーに線で描きおこしていろんな風景を重ねます。そして、1つの風景を構成してから画面に入ります。画面の中で新しい風景に出会うような感覚で制作しています。

 

樋渡工

北方ルネッサンスの混合技法を用いて、風景や生き物など、モノに捕らわれない作品作りを心掛けています。コンセプトは「意識と無意識の共存」です。対象物を構成して描く「意識」と、描いていく過程で生まれる「無意識」の2つの要素を1つの画面(作品)に収めています。この2つの矛盾した事象が、人間という複雑な生き物が住む地球の風景や静物、生物などの複雑さまで表現できるのではないかと考えています。
岡本太郎や、ホドラー、ダリ、ヒエロニム・ボスなどの画家に影響を受け、シュールレアリズムを踏襲し、古典技法×現代アートをコンセプトに、枠に囚われない自由な作品作りに取り組んでいる。


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